昔、どこかで「俺は劣化恐怖症だ」ということを書いている人がいた。
その人は、デジカメを取るときは、最大サイズで最高画質で保存しないと、
なんだか気持ち悪いといっていた。
mp3を作るときも、一番いいので作ってしまう云々と...。
その気持ちわかる。
自分で差がわかるかということよりも、膨大な情報が失われていることが気になる。
それが些末で実質的には意味のないところであってもだ。
よくうちの父親や学校の先生がいっていた。
「最近の若い人は有効数字ってものがわかっていない。
この計算で小数点以下5桁も書いて意味がないのがわからない。」
昔は、紙と鉛筆、計算尺、パンチカードで動くメインフレームを時間いくら
なんて方法で計算していた。ところが今や高機能な関数電卓は数千円で買える時代。
Windows電卓に携帯電話、はたまたGoogleでも計算できる時代。
手間が一緒だと、人間なんとかして計算を終わりにして楽しようなんて思わなくなる。
きっとそれで、無駄な桁に気づけなくなってしまったのだろう。
森毅の指数対数の話という本の中で面白いテストが書いてあった。
小学校と大学の先生に
32.43 × 84.21 = 2730.9303 について、
1) 273.09303
2) 2730.9313
3) 2730.9309
4) 2730.9243
という誤答に10点満点で点数を付けてもらうもの
小学生の先生は全体的に厳しく、5点以上は付けなかったそうだ。
大学の先生は2)-4)はたいていのひとが7,8点程度、甘い人だと、10点を付ける人もいたとか。
さらに1)の配点では、小学校の先生は4点程度、大学の先生は0-3点程度という傾向だったらしい。
小学校の先生は、数字があっていれば、小数点が違ってもケアレスという判断、
大学の先生は、実際の答えと1/10の値が出るのは論外という判断らしい。
小学生はきっちりとできることを学ぶ段階なので、こういう傾向がでるのだろう。
それに比べて、大学では誤差はつきものという考えが身に付いているらしい。
小数以下10桁も計算結果を書くようでは子供と言うことか?!
森毅の他の本は(きっと数学書なので)ともかく、すうがく博物誌 美しい数学なんて本も面白い。
数学の面白いところを素人でも楽しめるように書いてある。(どちらかというと絵本)
数学ももっと分かればきっと面白いのだろうけど...
shiba
確かにねー。オーダーの方が大事だよね。
最近じゃ、2730.93まで合ってればそれでいいかなーって思う。考え方は変わるもんだ。