そこはかとなく...

そこはかとなく、もの悲しい。これぞ秋?
近くない過去に「もの悲しい」という言葉を同じくらいの世代の人に言ったら、
「どういう意味?」と聞かれてしまった。こうやって日本語の微妙なニュアンスを表す
言葉達は消滅していくのである。
昔の人、今でも教養のある人に比べたら、語彙や表現は足下にも及ばないが、
今の自分の世代の人間にしては、言葉だの文化だのを知っているつもり。
でも、時折、もっと知っている人にであうとただただ畏敬の念。

うちは文化、芸術の香りが好きな家だったせいか、文化、芸術、思想に関しては、
ある程度知っておかなきゃという意識がある。
今もその辺のことは、同世代の平均的な人よりは知っている自信があるが、
平均とはあくまで平均。それを上回ってもことさら偉くないのが残念。

人文系のことはそれ自体を知っていることも重要だけど、
流れを知っていることも重要だと思う。
どういう思想がどういう背景でできたとかを知ってると面白い。
(もちろん、お金にはならないけど)

いろいろなものを見聞きするとき、先入観のない眼差しでものを
見つめることは大事だけど、それと同じくらい背景の知識に触れておくことも大事だと思う。
ちょっと、余計なことを知っているだけで、大して意味がなさそうなものに重要な意味を見いだせる。
抽象/具体に拘わらず旅の醍醐味はまさに「知ること」、「世界を広げること」だと思う。

今日は、久々にバイト。
お客さんと接するのは楽しいけど、バイトの人同士のやりとりや、
店のやり方に大して、んーと思うことも。
もう長いから、こっちもやや惰性なところがあるせいかもしれない。

物思いの秋の戯れ言でした。