CMから受ける印象は時に企業の印象を決める。
CMの雰囲気が企業のイメージになっていることも多いと思う。
企業が大衆にこう思って欲しい、うちはこういう会社だと訴える最たるものは、
CMの最後のロゴの出方だったり、そのときの文句である。
ぱっと思いつくところで行くと、
NISSAN: “SHIFT_the future”
HITACHI: “inspire the Next”
Canon: “make it possible with Canon”
SHARP: 「目の付け所がシャープでしょ」
さて、タイトルのSonyはどうだったかというと...
覚えている限り一番古いものは、“It's a Sony.”
しばらく前は、“Digital Dream Kids”
今は“like.no.other”らしい。
(実は“like.no.other”のCMを見たのはついさっき。)
で、いろいろとSonyが危ぶまれているいま、
一番相応しいコピーは“It's a Sony.”だと思うんだけどなぁ。
この話はたくさんの人にしているから、「また言ってるな」って思う人もいるかもしれない。
以前、日本人がどうしてaとtheの区別が付かないかとかを書いた本を読んだことがある。
theは特定の目の前にある具体的なもの(オブジェクト指向で言えばインスタンス)、
aはとあるものの概念のうちのひとつ(クラスかね?)に相当する。
その概念、ものを表している幾つかのもののうちのひとつという意味なのだ。
そこで、その本では“It's a Sony.”を「これがSonyというものです」と訳して、
CMで取り上げた特定の商品に関して、これがSonyという概念、Sonyという会社が作るものです、
と言っているのだとしていた。
Sonyが“like.no.other”でなくてはいけないのは、自明。
だから、そんなにダイレクトなことを言うのは少々野暮かなとも思う。
勿論、それだけせっぱ詰まっているというふうにもとれる訳だが、
ここはlike no otherなものを出して、“It's a Sony.”と言えばいいのではないかと思うのだが。
蛇足+思いこみだけれど、
CMの最後に決まったパターンで企業ロゴと決まった音を流すようにしたのは、
Sonyが先駆けではないかと思う。
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