夜中に目が覚めると、美しい月。
猫と添い寝していたTも目が覚めたようなので一緒に外へ。
月明かりが明るいらしいと言うことは知っていたが、本当に明るい。
月明かりに照らされる砂漠の景色はなかなか幻想的。
夜が更けて雲と月が砂漠に。風も出て、軽い砂嵐的だった。
外では景色を見て...、夜の砂漠で用を足したり。
だって、トイレがないんだもの。しょうがないじゃない。
再びテントに戻り、冷え込んだときのために持ってきた服をさらに着て、眠りにつく。
やっぱ、朝方は冷える。
昨晩、ガイドの人に教えてもらった日の出の時間前に起床。
昨日、麓で戯れた巨大砂山に向かう。砂に足を取られて思うように進めない。
思いの外、体力を消費して息が切れた。
雲は相変わらず空の上にあるが、砂漠に日が昇ると、「今日も1日が始まる」という感じがする。
ここ風に言えば、「アッラーのおかげ」かな。それもまた分かる気がする。
今日もよろしくわれわれを照らしてください。
日の出をみて砂山を下ると...、あ、雨が。
砂漠で雨を降らせるなんて、よっぽどの雨男がキャンプに紛れ込んだらしい。
朝ご飯を食べる前に、そう、やっぱりミントティー。そして、食事。
砂漠の中なので、贅沢とは言えないけれど、ちゃんとした朝食。
一通り朝食をいただき、食後のミントティーを飲もうとしたときに事件が。
ミントティーを入れようとしたときに事件が。
彼の地ではミントティーを注ぐときヤカンを高く上げて注ぐ習慣がある。
というわけで、郷にいればってなんとやらでそのようにすると...。
コップの8割ほど注いだところで、「ピシッ」。なんと、ガラスのコップが縦にまっぷたつ。
あまりに唐突で何が起きたか理解できなかったが、机の上にはミントティーが広がっていく。
ガイドの人が来たので、カップが割れたと謝ると、それは吉兆だと。
こちらではものが壊れるのはもっと悪いことをものが代わりに引き受けてくれているのだと。
そのお陰か、昨日荷物を置いたホテルまで駱駝に乗って戻る頃までには雨も止んだ。
昨日、日没を眺めたあたりまで戻った頃には、すっかり空は青くなっていた。
夏に日の午前中のような光が印象的。
ホテルの怪しげなトイレで用を足して(別にトイレ話が好きなわけではないのだが...)、
自分で汲んだ水で流して...、いざ出発。
最寄りの街まで便乗するという男が運転していきます。
もう一人の方が便乗男かと思いきや、そっちが運転手さんでした。
街に着くまでは、この辺はParis-Dakar(パリダカ)のコースなんだよとか教えてもらう。
確かにこの辺だとは知っていたのだが、まさにこの辺だとは...。へー、と思う。
便乗男が車を降り、運転手さんが運転し始める。
と、みょーなカセットテープを掛ける。
ヘリウムを吸ったような声で気だるく、エンドレスに何かを唱えているように聞こえる。
彼はそのテープが好きらしく、時折他のを掛けてはみるが、結局そのお気に入りテープを掛ける。
そ、そして、我々には分からなかったのだが、何か音がおかしくなることがあるらしく、
たまにテープを取り出し、端を持って叩きつけたり、読み込みの面のプラスチックをなめたりしている。
あのー、ファミコンじゃないんだから、絶対効果無いって...。
そもそもなめるのが効果があっても、なめてるのはテープじゃなくてケースだし。
あの、運転手さんの飄々とした雰囲気と、音楽、そして、テープに対する仕打ちは印象的だったかな。
連日の車による大移動で疲れて来ているのか、うとうとしたりしてしまう。
やはり、大地の広さを感じるドライブでした。
10時ごろに砂漠を出発しまして、13時頃にお昼を食べるレストランに到着。
ここでも、やはり...、そう、タジン。
ここのタジンも例によっておいしいのだが、例によって例のごとくタジンなことが最大の問題。
奥には日本人の観光客が2グループほどいた。
どうやら、ビールもあるようなので、我々も軽くいただくことに。
食事を食べていると、なにやら運転手さんが英語で何か言っている。
marikoさんが教えてくれたことによると、どうやらこの先の天候が思わしくなく、
道路が閉鎖されているかもしれなとのこと。今事実を確認中だからもうちょっと待ってといっているのだと。
閉鎖しているのが確定するとどうなるかって?
Ouarzazateに逆戻りするって? つまり昨日1日を無かったことにするほど戻るってことかい?
そんなぁー、こんな時こそ「アッラー」の出番です。困ったときの神頼みとはまさにこのこと。
運を天に任せて、道路が閉鎖されていないことを願いました。
ところで、我々の旅程はカサブランカに始まり、カサブランカに終わる、「ぐるっとモロッコ」コースなので、
半分以上ぐるっと回ったところから、道路閉鎖を避けて、次に行きたいところに行くには、
カサブランカを通るしか無いことになります。
道が閉鎖されているところの街で泊まって1泊しようと思えばできるのか、
Ouarzazateに戻されてしまうのか、どんなオプションがあるのかも分からずどきどきでした。
ご飯を食べ終わって、運転手さんが再び。どうやら、出発できるらしい。時刻は3時前。
外に出ると...、雪。え、雪? また、雪? (日頃の生活値が雪の降るエリアなので...)
雨男は雪も降らせられるんだななどと、意味も根拠もない嫌みをTに浴びせる。
出発できそうで本当によかった。よかったが、進むにつれて、雪はひどくなり、吹雪のようになる。
天候のせいでコースが変わり、Ifraneというヨーロッパ風の街並みの街を見ることはできず。
山に差し掛かると天気は一層悪くなり、いよいよとある街で足止め。
街の出口に通行止めを閉めすバーが降りています。しょうがないので、雑談をしたりトランプをしたり。
1–2時間ほどそんなことをしていただろうか、あたりが薄暗くなってきていたころ、
何やら前方で動きがあった。道が通れるようになったらしい。
ここに着いてから天候が好転したとは思えないのだが...。まぁ、進めるのだから進むしかない。
まぁ、こういうときは、どこの国の人もそうなのだろうと思うが、
変に追い越したりして、1台2台を稼ごうとする人が居る。
そいつがまた、普通の乗用車だったりするからスリップして動けなくなったり。
すると、運転手さんが「アイツラ、バカ。モロッコ人バカ」と日本語でいう。我々はかなりうける。
うすうす気付いていたが、この運転手さん、なかなかユーモアのある人のようだ。場が和む。
皆で、英語でしりとりなどの言葉遊びをする。(neilは英語しか分からないので)
言葉遊びにも疲れてうとうとする。外はもう真っ暗だ。
どうやら街並みが見える。目的地であるFèsに着いたらしい。時刻は10時。
6時には着くはずが、こんな時間に。
もっとすごいのは、運転手さんはこれからOuarzazateに戻るらしい。お疲れ様です。
少し多めにチップを上げてお別れしました。
さて、宿無しの我ら。
ツアーのオプションで宿を取っていたmr. neil & marikoさんが一緒に探してくれる。
あまり高くなければそこに泊まろうかとも考えたのだが、結構するので断念。
結局、Pension Bathaというところへ。朝食付きで一晩250 DH。
翌日、宿を探すのは面倒くさいと言うことで二晩とまることに。
宿の亭主が、全く英語ができない。
英語ができないのは仕方がない。問題はこっちがフランス語もアラビア語もできないことだ。
フランスに行ったときの会話集みたいなもので、なんとか宿帳に記入をすます。
亭主の彼が何やらフランス語で、何かを伝えてくれようとするがあまり分からない。
どうやら、今から用事があってでかけるんだけど、今すぐシャワーにはいるならつけておくけどどうする?
って感じのことを言っているらしい。
一応、今はいると伝えたつもりだったが、さっき部屋を覗かせて貰ったときにでたお湯シャワーがでない。
うーむ。しばらくすればお湯になるかと思い突入したYが餌食になる。寒そうだ。
全身に水を掛けるのは無理だということで、Tと俺は頭についた砂を洗うだけに。
疲れたので早々に眠りたかったが、シャワー、いや、水シャワーを待っている間に、
デジカメのデータをフォトストレージに移す。いや、移そうとしたところ、手が滑る。落下。
これはCFタイプのHD。6GB。砂漠の写真が満載されているこれがどうも動かない。
あー、困った。数回、カメラにもフォトストレージにも入れてみるがカラカラとよくない音がする。
最後のチャレンジと思って、フォトストレージに入れてみると、なんと読めた。
祈るような気持ちでCOMPLITEの表示が出るのを待っていたが、一応、無事終了。
しかし、そいつは、それ以降一度も正常に動くことがなかった。まさに奇跡だ。よかった。
さて、話は戻って...
腹が減った。腹は減っているが、こんな時間(10時頃?)だしどこもやっているようには思えなかった。
さっきシャワーのことを話したときに、あやしーいフランス語でどこか何かを食べられるところはないかと
訪ねたときに「あっちのほうに...」と教えてくれた方に行ってみることに。
行ってみると、雑貨屋が。
パンやらお菓子やらCokeやらを買って戻ってくる。残念ながら今日の晩ご飯はこれになりそうだ。
まぁ、若いからこういうのもありかもしれない。
こんなときは、一人でないありがたみを心底感じる。
「水のシャワーと寒めの部屋とジャンキーな歌詞を10時頃に食べる」なんてのを一人でやると、
多かれ少なかれブルーになってしまうに違いない。
Lonely Planetに載っていた、Fèsの「非公認ガイド」(資格を持っていないガイド、違法になるらしい)の
Ahmedへのインタビュー記事をラフに翻訳して読み上げたりして歓談。
疲れていたせいか、別段そこまで面白くないはずの話でも笑えた。
そんなこんなをして夜は更ける。
お湯のシャワーも浴びていないし、部屋に暖房も無くて少し肌寒いけれども、
まぁ、とにかく、たくさん疲れたので、とりあえず寝る!
お休みなさい。
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